さくらさくら2009

  • 26 千鳥が淵の月
    この季節だけは日本人に生まれてよかったと思う。

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2008年4月30日 (水)

ミュージカル「Zorro」舞台レポ(第2幕その4)

第2幕
第10場

舞台手前のバルコニーで、ラモンが出て来る。
広場には、捉えられたルイサが手を縛られ、兵士たちに引きたてられてくる。
ラモンは、高いところから見下ろしながら、「構え!」 とルイサに銃を向けさせる。
これは、ゾロをおびき出す罠なのだ。
ラモンは、ルイサを見下ろしながら、言う。
「お前はヒーローを捉まえたつもりだったのだろう、それは罪のないことだと思っているのかもしれないが、ヤツは勝負師だからお前を利用したのだ。間もなくここに現れるはず」
ルイサは、
「あなたは、自分の嫉妬と欲望のためにこんな事しているのよ!」 と叫ぶ。
がラモンは、
「確かに、そうかもしれん、一度はお前を求めたこともあったが、今はそういう気もなくなった」 と軽くせせら笑うように言う。
「ヤツはこうしているお前を見ているにちがいない、お前はヤツのおとりだ」
ルイサは、なおも抗議するが、ラモンは冷たく言い放つ。
「私は誓うぞ、もし、ヤツを捉まえられなかったら、ヤツへの見せしめのために、お前は死ぬ!」
ガルシアは、おろおろとした様子で、見ているだけだ。
ラモンは、ルイサを左手の処刑場に連れて行かせ、柱にくくりつけさせる。
あたりを見回しながらも、今や手をあげて、処刑の命令を下そうとしたその時、右手後ろの建物にゾロが姿を現す。
「撃て!」 と叫ぶラモン。
だが、すぐに左横からもゾロが現れる。ラモンはそちらにも「撃て!」と叫ぶが、言うそばから、ゾロと同じ格好の者たちが、6~7人どっと出てきて、兵士たちに一斉におそいかかり、一気にあたりは大混乱に陥る。ラモンは、
「みな撃ってしまえ!」 と叫ぶが、あまりの数にどうにもならない。沢山のゾロもどきと兵士たちの大乱闘が繰り広げられる。中でも、ギターでバンバン兵士の頭をなぐりつけていたゾロもどきは、隅でマスクをはずすと、いつも、舞台すみでギターを弾いていたギタリストだった。ギターにふっふと息を吹きかけ、袖口でギターを拭き終えると、ニタリとして引っ込む。
大乱闘の横から、本物のゾロが出てきて、縛られているルイサの縄をはずす。
「ルイサは、あなた、何してたの!遅いわよ!」 と勝気に叫ぶが、ゾロは、
「そんな事言っても、自分でゾロを7人も集めてみろよ」 などと言いながら、逃がそうとするが、勝気なルイサは、自分も剣を取って、兵士たちと戦いだす。
ゾロたちは、あちこちに散らばって行き、ルイサとゾロは、兵士に囲まれるも2人力を合わせて優勢な戦いで、兵士の囲いを切り抜けて逃げ去ろうとした時、
「待て!」 とラモンの声が響く。
ラモンが、背後の建物の2階通路に、チェゴの首もとにナイフを突きつけながら出て来た。チェゴは、ルイサのスカーフを巻いている。これが目立って、ラモンに捕まってしまったのだろう。ディエゴが自分の悩みで頭いっぱいで、チェゴの訴えをちゃんときいてやらなかったからだ。
あっと驚くゾロ。
「こいつを殺すぞ!さもなくば、武器を捨てて降参しろ!」
ゾロは、あわてて足元にかけより、
「そいつは関係ない!離せ!」 とはしごを上ろうとするが、ラモンは、
「こいつが誰かなんて関係ない、こいつを殺されたくなければ降参しろ!」 と小柄なチェゴをがっちりと押さえ込み、首にナイフを突きつけながら、ゾロの真上まで来る。
「悪いのは、俺だけなんだ、頼む!そいつを離してやってくれ!」 とゾロは、必死の様子で叫び、剣を捨ててしまう。
兵士がどっと取り囲み、ルイサも捕まる。
だが、それを見たラモンは、なおもチェゴをかかえこむ腕を緩めず、
「おやおや、悪人にも弱点はあったってわけだ、これで、許されると思うのは、お前の判断ミスだな」
とラモンは言うなり、チェゴの首をナイフで一文字に切り裂く。
「NOOOO-----------------------------!!!!」
ゾロの絶叫が響き渡り、首を赤く染めて、チェゴはゆっくりとくずれるように倒れる。
これはショックな場で、客席からは、思わずハッと息を呑む声がした。
がくり、と崩れ落ちるように膝をつくゾロのもとに、倒れたチェゴをそのままに、ラモンがはしごを降りてくる。
「降参したのは、賢明な判断だな」とゾロのそばに歩み寄り、マスクをはずそうとするが、必死に見ているルイサに気づき、その手を止めて
「いや今はやめておこう、お前は、誰とも分からぬヤツのまま捕まるのだ、そして、明日、美しいルイサとの結婚式の余興に引き出して、その場で正体をばらしてやることにする」 そう言うと、
「連れて行け!」 と命令し、ゾロはひきたてられて行ってしまう。
ルイサに向かい、ラモンは、
「あいつが殺されたくなければ、私と結婚するんだ」 と言うと、ルイサは、顔をゆがませながらも、うなずく。
勝ち誇ったように肩をそびやかして、ラモン退場。
絶叫のような哀歌が響き渡る。

第11場
あたりは、一段と暗くなり、2階の通路に倒れているチェゴのもとに、ジプシー仲間が集まって来て、そうっと遺体をかつぎ降ろし、そのままささげるようにして歩く。イネスが悲痛な顔で出てきて、それを見守る。ふりしぼるような、嘆きの歌のなか、しずしずと遺体をいただき、列は進み、運ばれて行く。それを、イネスが見送る。嘆きの歌は、静かに、激しく続き、舞台は暗く暮れて行く。

第12場
正面の牢獄の中に囚われたゾロが格子によりかかり、足を投げ出すようにして座りこみ、首をうなだれている。そこに、横の扉からガルシア軍曹が入って来る。
「俺、お前さんに渡すものがあるんだ、セニョール・ゾロ」
と敬称つきで呼びかけるが、首をうなだれたゾロは、
「うるさいな、あっちへ行けよ」 と小さくつぶやき、見向きもしない。
「ここにきて、すべてがあべこべになったんだ、いい人だと思っていたのが悪い人で、悪い人と思っていたのがいい人で・・・・」(客席、笑)
とくどくど訳の分からないことを言い出す。
「で、俺はずっと悪い人だったと思うから、これからは、いい人になっていい事をする事にした、だから、この剣を受け取って!」 と剣を差し出す。その立派な剣は、どうやら、ドン・アレハンドロの持ち物だったものらしい。
だが、ゾロは、
「放っておいてくれ!」 と大声でわめくや、ドンッと足で床を蹴りつける。
すると、床の一部が壊れ、大きな音と共に、木屑や壁の石屑が深くまで落ちて行くような音が反響していく。
「なんだ!?」 
と足元の崩れを見るゾロに、ガルシアは、
「あ、牢屋を壊さないでね、その下の地下牢に、ラモン大尉が秘密の大事な囚人を隠しているって聞いてるよ」 と言う。
とたんにゾロは、色めきたち、
「そうか!その剣を貸せ!早く!」 と立ち上がる。
舞台暗転

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