さくらさくら2009

  • 26 千鳥が淵の月
    この季節だけは日本人に生まれてよかったと思う。

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2008年4月30日 (水)

ミュージカル「Zorro」舞台レポ(第1幕その2)

第1幕
第6場
右手に3階建ての石造りの砦のような建物。左手には2階建て。コンクリートの打ちっ放しのように愛想のない建物。舞台手前の両脇には、さらに2階建てのやぐら状の木組みでバルコニーがしつらえられている。
中央の建物の間から、赤いドレスのイネスが物珍しそうにあたりを見回しながら、登場。そこに、三角帽を被り、スペイン軍服姿の小柄な太めの人物が銃を肩にかけて出て来る。ガルシア軍曹だ。
見慣れぬジプシー女を見て、お前そこで何してる?と問う。イネスがじろじろと見て、あたしイネスっていうんだけど、初めてここに来て、今ここのステキな建物とか(と全然そう思っていない様子で見回しながら)、ステキな男性とか(とガルシアに媚を送り)見ているところ、と話しかける。
ガルシア軍曹は、美女にそう言われて、たちまちデレデレとして、悪い気はしない様子で、えーと、お前は誰だっけ?とまた聞くので、イネスは、あたし、まだイネスよ、(場内笑)とあきれたように答える。あんたこそ、ここで何してるの?と聞かれて、ガルシア軍曹は、俺?えーと、わからない、と答える。
じゃあ、あんたって誰?と聞かれて、胸を張って、ラモン大尉に仕える、ホセ・ガルシア軍曹だ、と答える。ここで酒場でも開こうかと思っているから、あんたも来てね、というようなやりとりがあり、ガルシア軍曹は、イネスにおおいに気持ちが動く様子。
イネスが立ち去る。
舞台左側の建物の前にさらに要塞の一部のような石塀がするすると動いて出て来る。

第7場
舞台中央から、貧しい身なりの男が兵士たちに捕らえられて出て来る。舞台左手の一段高いバルコニーにラモンが出て来て、大声でその反逆者をさっさと連れて行け、と指図。ガルシア軍曹は、あたふたおろおろするが他の兵士が、男を引っ立てる。
貧しい身なりの女が泣きながら取りすがり、この人は無実です!!お願いですから、放してやって下さい!!と身を振り絞って懇願するも、ラモンはいささかも頓着しない。男は兵士に引き立てられながら、石塀の扉の中に連れ去られ、扉は無常にバタンと閉まる。
なおも取りすがる女の前に、扉から銃を持ったいかつい兵士が出てきて、立ちはだかるように睨みすえる。
村の女たちが集まってきて、泣き崩れる女を取り囲むようになぐさめる。やがてそのやり切れぬ思いは、女たちの口をついて歌となって出てくる。
♪私達はまるで動物のように支配されている!
両側の建物の2階に居た女たちもはしごを使って降りてきて、下の女たちに加わる。
嘆くような歌は、次第に強い怒りのようなリズムに高まって行き、椅子の脚を打ちつけ、激しい怨嗟と怒りのリズムとなって一団となって迫って来る。
♪ Por La Libertad!
ここはこの舞台の中でも瞠目に値する、素晴らしい群舞だ。椅子を打ちつけ、椅子の上でも足を踏み鳴らし、女たちは一団となってせり出して、恐怖の支配への怒りと開放を求めて強く訴えながら舞い、歌う。熱い波が舞台から客席に押し寄せるような迫力。この群舞には、圧倒された。
だが、怒りのエネルギーが発散された後、だからといってどうしようもない、という様子で、肩を落として、女たちは散って行く。
その女たちの様子を後ろの建物の屋上から、じっと見つめる人物がいる。
ソンブレロを深く被り、あぐらを組んで座り込んで見ているが、女たちが立ち去ると、立ち上がり、しばし何か考えている様子だが、やがて左手の奥に消えて行く。
舞台暗転

第8場
暗い舞台の右手の一角がスポットライトで浮き上がる。ラモンが右手の暗闇からスポットライトの中に出て来る。あたりを素早く見回し、床の一角を開けるや、髪を鷲?みにして、一人の男を引き出す。ラモンは、お前は、まだ生きているな!と憎々しげに言う。
男は、さるぐつわをされ、両手は括られ、髪は振り乱れて服は裂けている。ぼろぼろになったドン・アレハンドロだ。
言いたいことがあれば言うがいい、とばかり、さるぐつわをぐっと引きおろし、お前のことは、皆死んだと思っている、私のちょっとした秘密ってわけだ。まったく、簡単なチョイスだったのだ。お前が本当のことを言ってくれたら、こんな事をする必要はなかったものを。今や私が、ロスの支配者だ。
アレハンドロは、いつの日かディエゴが戻ってくれば、ここを継ぐはず・・・・と言いかけるが、ラモンは、ディエゴだって!?と叫んで、ペッと唾を吐いてみせ、あいつは、何もしようとしないばか者じゃないか!我々が、しようとしていることを何もわかっちゃいない。あいつにここを治めることなんかで出来やしない!
ラモンにきりきりと首を絞められても、アレハンドロは、お前なんか、一度も息子と思った事はないぞ!と苦しい息の下でうなるように言うと、ラモンは、飛びのいてひざまずき、アレハンドロをきっとにらみすえる。
しばし、2人でにらみ合うが、ラモンは、アレハンドロの背後に回り、つぶやくように、そう、マイノリティの血筋かもしれないが、残念なことに、私はお前の血を継いでいるのさ、親父殿。そう言って、アレハンドロの顔を片手でかかえ、頬にキスをする。不気味でゆがんだ愛情表現だ。
覚えとけ、お前がここに居ることは、誰も知らない事なのだ。ここで、獣のように死んでいけ!
そう言うと、蹴りこむように地下牢にアレハンドロを入れて、扉をバタンと閉める。
舞台暗転

第9場
正面にグリーンの大きな箱方馬車。その屋根の上にソンブレロを被って、寝ている人影。ディエゴだ。
あたりは暗いが、夜明けらしく、少しずつ明るくなってくる。馬車の後ろの扉が開いていて、そこに従者チェゴも横たわっている。
馬車の上の人物が、むっくりと起き上がり、静かに歌い出す。
♪ Look To The Sunrise
歌いながら馬車から降り立つ。この不正と闘い、人々にこの日の出のように、希望を持たせたい、というような歌らしい。
歌い終えると、起きて来たチェゴに向かって、ここの人々の苦しみを見て、なんとか助けたい、人々の力になりたいと俺は強く思う、と訴える。けれど、どうしたら力になれるのか、わからない。ルイサは俺をばかにしているみたいだし。
すると、少し考えていた口のきけないチェゴは、身振り手振りで、色々な仕草をしながら、ディエゴに言葉を伝えようと必死に訴える。
ディエゴは、わかりが悪くて、頭が軽そうに見える。(私見)
何度も聞き返し、チェゴの必死の身振りで、ディエゴは、えー、何々、町の広場で、この馬車の後ろから、は~い、僕助けたげる、と言って飛び出せ!?
そいつは・・・・、ひっでェアイデアだな。自分が誰だか知られたくないんだ。拒否されて、チェゴは、そうだ、とばかり馬車に飛び込むと、屋根から窓から、ポンポンと帽子やら、マントやら、スカーフやら、果ては大きなクモまで放り出す。また飛び出して来ると、散らばった衣類の中から、三角帽子を頭の乗せ、黒いマントをはおり、どうだ?と見せるが、ディエゴは、そりゃ、海賊みたいだ。
するとチェゴもその気になって、片足あげて、オウムの人形を左肩に乗せてみる。スティーヴンソンの「宝島」の海賊船の船長だ。(客席、笑)
こういうコネタにもちゃんと、イギリスの作家のを使うのだ、と妙なところで感心。
ダメダメ、と言われて、帽子を脱ぎ捨て、マントを替え、ショールを被って扇を広げて口元に当てて、目もとパチパチするが、ディエゴは、それは俺の趣味じゃない、と拒否。
このチェゴ役の人、大変小柄な人で、しかも、坊主頭で、ちょこちょことした動きが笑わせてくれる。
機敏に走り回って、散らばった衣類の中から、黒い帽子を取り上げてかぶり、赤いマントをひっかけ、脇に持っていたマスクをさっとつけると、ディエゴが、待った!と叫ぶ。チェゴが、動きかけたまま、ピタッとフリーズした格好を眺め、ディエゴは、う~ん、そのマント裏返して!と赤いマントを裏返すにさせると、黒マント、黒の帽子にマスクのスタイルが完成。
「これだ!」
とディエゴが嬉しそうに叫ぶ。
この場は、おおいに客席も受けていて、確かに面白かったが、こういうところが軽くて、あくまでもディエゴにとっては、お遊びでやっているようにしか見えない。演じる役者がそういうようにしか見えないように演じているのだからしょうがない。
舞台暗転

第10場
ルイサが、村の広場らしきところに出て来ると、女たちがやって来て、ルイサに訴える。
ラモンが、罪もない村人を捕まえてまわり、子供まで連れていかれている。皆おびえて暮らしている。
すると、ルイサは、ドン・アレハンドロ・デ・ベガの正統な血筋の息子、ディエゴがここへ帰って来たから、もう大丈夫。彼が、皆の生活を変えてくれると約束したから、安心して。
という先から、ディエゴが、赤い薔薇の花を手で振り回しながら、ジプシーたちとバイラ、バイラ~♪とにぎやかに歌いながら繰り出して来て、大騒ぎ。薔薇を口でくわえ、手足をひらひら、阿波踊りのような振りで、ジプシーたちとにぎやかに浮かれ騒ぐ。
ルイサがびっくりして、ディエゴ!と呼びかけるが騒いでいるディエゴには聞こえない。
「ディエゴーッ!!!」
ルイサの絶叫に、ようやくディエゴは気づいて踊りやめる。
「これは、どういう事!?あなたは、人々のために変わるって、船の中で約束したはずでしょ!?」
ディエゴは、へらへらした様子で、
「ああルイサ、でもやっぱりこんな楽しい生活はやめられないさ」
と悪びれる様子もなく、またジプシーたちと歌い踊りながら、去ってしまう。見ていた村の女たちも、そう、あれがディエゴなのよね、と醒めた目で見やる。出てきたガルシア軍曹も、歌い踊りながら去るディエゴをややあきれた様子で見送る。
ルイサは、気落ちした様子で、ここには助けになる者は誰もいない、私はどうしていいのかわからない、と嘆きながら、歌いだす。
♪ Luisa
嘆きの歌を終えると、すごすごと立ち去る。
舞台暗転

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