さくらさくら2009

  • 26 千鳥が淵の月
    この季節だけは日本人に生まれてよかったと思う。

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The Soldier's Tale 2004 レポート(速報) 【復刻版】

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ロイヤル公式サイトのシノプシスや原作のイメージからは、シリアスな悲劇かと思っていましたが、思いがけず喜劇的な場面もあり、特に病気(頭の?)の王女ゼナイダ・ヤノウスキーの演技には大爆笑でした。そして一転、最後は「エクソシスト」か「エンジェルハート」かというホラー・モード。これはかなり衝撃的でした。12歳未満禁止も納得です。(でも子どもも結構見てました。あの子たち、悪夢にうなされてなければいいけど)
マシュー・ハートの悪魔がとりわけ素晴らしかったです。はっきり言ってアダム・ファンのわたしが見ても主役は完全に食われていたと思います。特に最後の本性を現した悪魔の衣装(?)と動きは言葉で表現できません。
ウィル・ケンプはナレーターということでしたが、実際には兵士の守護神のような役回りで物語の進行を務め、また2幕では王国の王様役も演じていました。
アダム・クーパーの兵士はポスターやカードに使われている写真とは違うメイクで、遠目には歌舞伎の隈取りかと思いましたが、一度最前列で見たらむしろスポ根少年漫画みたいな眉毛で、目元と目尻にはそれぞれかなり強いハイライト(マッチ棒付けてるかと思った)が入っており、素顔の原形留めていませんでした。
1幕のゼナイダ(婚約者)とのパ・ド・ドゥは切なく、2幕のウィル(王様)、ゼナイダ(王女)とのパ・ド・トロワはほとんど盆踊りで大笑い、悪魔との戦いに勝利した後の得意げなポーズは今思い出しても吹き出しそうになるくらいです。

舞台のセットがものすごく凝っていて、ちょっと説明が難しいですが、一番おもしろかったのはゼナイダ・ヤノウスキーの楽屋裏が丸見えになっていることで、着替えたり化粧直ししたり、タバコを吸ったり、お酒をラッパ飲みしながら出番を待ってる様子が同時進行で進むため、どっちを見たらいいの状態で困りました。

とにかく4人ともよく踊り、よく芝居してました。
振付のタケットさんは毎日客席にいてロビーでも見かけたので、「この作品を見るために日本から来ました」と言ったら「Amazing!」と驚かれていましたが、本当に来たかいのある充実した舞台でした。

 
「兵士の物語」Synopsis
(Royal Opera House公式サイトから)

【1幕】
数日の休暇をもらって村に帰る途中の兵士が小川のほとりで一人の老人に出会う。実はこれは変装した悪魔で、兵士のナップザックに入っているバイオリンがほしいと言う。恋人の写真も一緒に。交換に財産を築ける魔法の本を差し出す。兵士は悪魔に付いていきバイオリンの弾き方を教える。
3日後、兵士は悪魔の空飛ぶ馬車で村まで送ってもらう。村人はみんな兵士は死んだものと思い誰も気づかない。なんと3年が過ぎ、恋人も他の男と結婚していることに気づいた兵士は愕然とする。
兵士は悪魔をみつけ、3年もの時間をだまし取られたと悪魔をなじる。しかし悪魔は魔法の本をやったじゃないかと言い、上手な使い方を教える。
兵士は本の力で大金持ちにはなったが心は空虚だ。物質的な所有は空しさだけだと知る。
老婆の姿をした悪魔が再び現れ、兵士は久しぶりにバイオリンを取り戻す。しかし兵士が弾こうとしても音は出ない。
兵士はバイオリンを投げ捨て、魔法の本をつかむとびりびりと破ってしまう。

【2幕】
兵士はすべての財産を捨て、よその国に旅に出る。
ある宿屋でかつての兵士仲間に会う。その話によると、この国の王女が病気で、その病気を治せた男に王女をやるという王様からのおふれがあったと言う。兵士は運を試そうと思い宮殿に行くと、そこにバイオリンの名手として悪魔が現れる。
兵士は王様との謁見の順番を待つあいだ、1杯のワインとトランプを手にテーブルにつく。
バイオリンを持って悪魔が現れ兵士をあざける。兵士は悪魔にトランプゲームを挑む。すべてを失うことによって悪魔に対する負債を帳消しにしようという計画だ。兵士は次々に負けるが、とうとう悪魔を打ち負かす。兵士はバイオリンを弾き始める。

病気で寝ている王女の部屋に入りバイオリンを弾くと王女はたちまち回復し、起き上がって踊り始め、兵士を抱きしめる。
本来の姿に戻った悪魔がバイオリンを奪おうとする。しかし兵士のバイオリンには不思議な力があり、悪魔は疲れ果ててへとへとになるまで踊らされる。
だが悪魔は完全に負けたわけではない。兵士が帰国しようとしたら再び優位を勝ち取ると言い残す。
王女が兵士の村を訪れて兵士の家族に会いたいとねだり、ついに兵士も折れる。旅を続け、村の近くまで来たとき悪魔がバイオリンを弾きながら現れる。
兵士は国境にたどりつくと悪魔の言いなりについていく。遠くから兵士を呼ぶ王女の声は届かない。
勝ち誇った悪魔が堂々と歩み去って、物語は終わる。